TAKA

バンドでの僕はとてもロマンティストであり、リアリストなんだ
Interviewer:OLIVER KAYT

今日インタビューする人への最初の挨拶をどれにするのか3日間ほど悩んだ。初めて出会う相手だとか、相手の国籍が違うとかもあるが(私はイギリス人)、それ以上に
インタビューする相手の作り出した物語をみると、とてもじゃないが冗談を言えるような人間
ではないと思うほどである。

The Clear−このバンドのフロントマンTAKA。
30分という限られた時間でミステリアスな霧に包まれた彼の全容が少し見えてきたと思う。

「始めまして、TAKAでいいかな?」
「呼称なんて別になんだって良いよ、よっぽどむかつく相手以外はね」

そう微笑みながら、カップに紅茶を注ぐ−−

「ありがとう、やっぱり紅茶もモリッシーからの影響?」
「さすがに、飲食の趣向まで影響は受けてないよ。肉も普通に食べるし(笑)」

「だけど、君の詩やパフォーマンスからはモリッシーを強く感じるよ」
「そう?だったら嬉しいね。だって彼方はイギリス人でしょ?イギリス人からそういわれるとね」
「いや、よほどモリッシーに興味がない限りわかるよ(笑)」

そう、彼はイギリスの80年代アンダーグラウンドを代表する「The Smiths」のフロントマン、モリッシーに心酔している1人である

「作詞は全て彼方が?」
「うん、51st Stateの一部以外は全てね」

「作詞が先なんですか?」

「基本は音源が先。メンバーの作る音は非常に僕の世界観にマッチするんだ」

「パーソナリティな歌詞と政治色の強い歌詞がありますよね」
「うん、
だってバンドでの僕はロマンティストであり、リアリストなんだから」
「というと?」
「僕は愛って言うものを信じたい。けれど、それが何をした?それで何ができる?そういうことさ」「バンドへの愛というものはないのですか?」
「バンドに関しては愛よりも、もっと強い関係で結ばれているから」

Sleepless Nightも51st Stateも僕の見ている現実をそのまま映しただけ

「Into The Blueの相手は異性を?」
「あえて、そこは伏せておくよ。どちらにしても、失われつつあるからね。愛故っていうのは」

「というと?」
「身分っていうのが曖昧になってきてるし、堕胎も通常化してきてる・・。20年前に比べ同性愛だって理解されてきてる」

「なのであれば、すでにあの歌詞は時代遅れなのでは?」
「ラジオやTVから流れて聞こえる音楽は、会いたいからとかどうこうするわけでもない。僕の場合、行動をしてるのさ」

「それがあぁいう風になると」
「さっきも言ったけどロマンティストなんだ。だからあぁいう結末への憧れでもあるんだ」

「51st Steateや新曲のHoliday In The ChinaはInto The Blueに比べて随分現実的ですよね」
「51stについてはShirakawaがある程度歌詞を作ったからね。本当はもっとえげつなかったんだよ(笑)」

「アメリカ人を除いた人々は十分にえげつない歌詞だと思うんですが(笑)」
「本当だよ。でも、そういう歌詞も面白いなって思った。POPだから、歌詞も人をおちょくるみたいな感じに変えたんだ。」

「SasanquaやPillow Talkは日本語ですよね」
「日本語の響きの美しさって云うのもね、曲には必要なんだっていうのは建前で、英語歌詞を考えるのが難しいからさ(笑)」「我々からすると日本人が日本語で歌わないのは違和感があるんですよ」
「確かにそうかもしれないけど世界はグローバル化してるわけだよ。君の話している言葉が世界の標準語となってるんだからさ」

「先ほどロマンティストでありリアリストであるといってましたが、相反する世界を同居させていますよね」
「Sleepless Nightも51st Stateも僕の見ている現実をそのまま映しただけ。そこに「もしも」とか「願望」を含めるただそれだけ」「どうしても願望、もしくは現実が強くなりがちだと思うんですが」
「さぁ?特に分量を量って作ってるわけじゃないからね」

「自分で曲を作ろうとは?」
「作りたいと思うけど、今はメンバーが作る曲の方が僕の歌いたいことを的確に表現してるから必要はないかな」

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